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- 草木染めについて
私が手染めをする理由
毎日毎日、長崎の小さなお店で草木染めをしています。枇杷の葉だったり、ヨモギだったり、毎日違います。

店の戸を開けると季節の植物の香りで驚くお客様もいます。
「何の香りですか」
と聞いてくださる方もいます。
草木染めをしていると雨の中の植物の生命力を感じるときもあるし、お母さんに抱きしめられたような優しい羽のような温かさを感じる時もあります。
その感触を、皆さんにも伝えられるように。
私は、毎日手で染めをしています。
1枇杷の葉を摘む

毎月満月の日に(大雨の時は少しずれることもあります)枇杷の葉を摘んでいます。
化学肥料を5年以上使っていない山の奥の枇杷畑です。農薬も全く使っていません。枇杷農家の方も、地域の通所施設に通う障害をお持ちの皆さんにもお手伝いしていただいています。染めには大量の枇杷の葉が必要になるので、たくさんの方々に協力していただきながら行っています。
摘んだ枇杷の葉は、きれいに洗って、日に干して、乾燥させます。それもすべて手作業でとっても手間がかかる仕事です。
洗って、乾燥させるまでに一週間はかかります。
乾燥させた枇杷の葉を鍋一杯入れて、水もいっぱい入れて、いつも3日以上煮出します。段々と濃い紅茶のような琥珀色になります。とってもきれいな染め液になります。
満月の日に摘んだ枇杷の葉は、不思議なことに他の日に摘んだ枇杷の染め液よりも色濃く、濃厚に染まります。旧暦を活用して農業を行っていらっしゃる方々も満月の日に葉物の野菜などを収穫すると味が濃く、うまみがある野菜が採れると言われていました。
月のリズムと女性の周期はとっても合っていると思います。宇宙のリズムにおいても満ちている月の日に摘んだ枇杷の葉で染め上げ、そのナプキンを身につけるのは私たち女性にとっても良いことだと思います。
2豆乳で染める

日本で糸から織ったオーガニックコットンを水通しして、その後、タンパク質をたっぷり含んだ豆乳で染めます。ゆっくり何度も布を動かしながら染めないとその後の草木染めがムラになってしまうので、丁寧に行います。
タンパク質を、布にしっかり染み込ませて、その後に血液やおりものなどのタンパク質の汚れがついたときにはがれやすくしておきます。
豆乳染めの後は水では洗わずに、優しく絞り、しっかり陰干しします。
3草木染めする

3日煮出した枇杷の染め液をムラにならないようにゆっくり丁寧に染めていく。
茜の根、ザクロの皮、ヨモギの葉なども同様で染めていきます。
枇杷の葉は、2月くらいの寒い時期、花や実がなる前が一番色濃く染まり赤みがかっています。夏から秋の実がなって、少ししてからが一番薄い染め色になります。
スーパームーンなど、地球と月が近づいた時の満月の日の枇杷の葉は、特に色濃く、ブラッディオレンジのように赤みが強く出ます。染めながら驚くほどです。植物も宇宙のリズムをとても感じているのだなぁと感激してしまいます。
4媒染する

焼きミョウバンで色留めをすることで、洗っても色落ちがあまりしないようになります。
鉄媒染を行うと、少しくすんだような大人の色合いになって、2種類の色の染めを楽しむことができます
媒染後、染めの状態によって2度染め、3度染めを繰り返す。長く、多く染めるほど、色が濃く染まる。
5染めの完成

乾燥させて完成です。
枇杷の葉を摘むところからなら、染め上がるまで、2週間以上はかかります。
布なぷきんの縫製完成までなら3週間から1カ月かかることもあります。
草木染めの商品は水だけで洗えます

草木染めの種類







